
「スーパーコンピューターを20万円で創る」
(伊藤 智義 著/集英社)
この本はタイトル通り、スーパーコンピューターを開発費20万円で創ってしまったという人達の話。
スーパーコンピューターは通常、1ヶ月のリース代が約1億円と言われているのだが、ここに出て来るのはそれと同じものではなく、用途を完全に限定して、その計算速度がスーパーコンピューター並みということ。
その用途とは「天体の重力に関する計算」、つまり、天文学の計算機。
それでも開発費20万円は驚異的と、業界では当時話題になったと共に、このコンピューターの名称「GRAPE」の技術は今も研究が続けられ、進化を続けている。
ということで、この本ではコンピューターの開発と共に、天文学に関する話が多く出て来るので、両方についてある程度の知識を持っていないと、ちょっと分かりづらいかもしれない。
と言っても私自身、天文学に関する知識は、少々の本やTV番組を見た程度のものなので、あとは「好きだったら楽しめる」と思う。
言い換えれば、コンピューターと天文学の両方が好きな人にとっては、たまらない本と言えるだろう。
読んだ感想としては、全編を通して「宇宙やコンピューターの理論」や「苦労話」を多く語られながら、まだ誰もやったことがない方式で、まさに新しいものを創ることに対する「夢」や「熱意」を見せてくれた。
その中で、開発メンバーそれぞれのエピソードが盛り込まれているので、開発者達の人物像まで深く見えてくる。
そんな感じで、ページ数は230ページあまりなので短く読みやすいと共に、読み応えがあるし、熱くなれる本だと思う。
私はどうも、開発者話というのが好きなようだ。またこういう本を見つけたら読んでみたい。
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