2018年12月02日

『AHEGAL』低価格エロゲー?の中に見える、STGの要素

今回紹介するゲームは、当ブログでほとんど扱わないジャンル、しかも少し特殊なものだが、私が純粋に「面白い」と思ったので、深く追求してみようと思う。

AHEGAL
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画面の背景に見える女の子を裸にするゲーム、早い話が「エロゲー」で、一見『DEEP SPACE WAIFU』のような弾幕STGという印象を受ける。

だが、本作の大きな特徴は、クリアすると女性が「アヘ顔」をすることにある。
アヘ顔とは、元々は日本の同人などで使われる性的表現、早い話が「イク時の表情をデフォルメしたもの」だが、現在では日本のみならず海外にも広まっていて、それをテーマにしたのが本作となる。


更に、価格は日本円で100円、ゲームセンター1コイン分という低価格。

といっても、Steamで100円のゲームといえばシンプルな内容、もしくは簡素で安易なものも多い。その中で「エロ」と言えば、タイトルに「HENTAI」と付いた性的画像を入れただけのゲームも多いので、その一つに過ぎないと思われてしまう。更に「アヘ顔」、これでいい印象を持つ人はあまりいないだろう。

だが、本作はそれと少し違うものを見せてくれる。

弾幕STG?エロゲー?それとも

プレイヤーは画面上に表示される「点」を操作して、敵が撃つ弾やレーザーなどの攻撃を避けていく。コントローラーかマウスで操作できるが、マウスの方がカーソルを動かすように素早い移動や微妙な動きもできる。

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ステージ上に出現する敵は全て、牛乳パック・寿司・ハンバーガーなど食べ物をモチーフにしたキャラクター。エロゲーという「性欲」に対して「食欲」という、人間の要求を合わせた表現のようでもある。
一見弾幕STGのようで、背景の女性と食べ物の敵という不思議な光景ではあるが、本作は更に、弾幕STGと大きく異なる点がある。それは、

ゲームに「撃つ」要素がない

つまり本作は「敵の弾幕を避けるのみのアクションゲーム」である。

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だが避けるだけではない。ステージの所々で、光る「輪」が出てくるので、そこに一定時間滞在すると、女の子の衣服が1枚消滅する。輪の中にいる時も敵は休むことなく攻撃を続けているので、狭い範囲で避け続ける必要がある。まさに「我慢」の末に「脱衣」という報酬があるのだ。
でも、敵の攻撃を受けても大きな問題ではない。本作はライフ制で、途中で頻繁に回復するので難易度は極めて低い。そしてステージは全6ステージのみと、クリアは実に容易だ。
※発売直後のバージョンは難易度で極めて高く、後に調整された。
女の子は、衣服が消滅した瞬間に、軽く「アヘ顔」を見せ、1ステージ周回する所まで避けきれば、絶頂のアヘ顔を見せてステージクリアとなる。
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クリアすると、全身の映像を自由に回覧できる。でもまあ、これを性的に受け止めるかはプレイヤーの判断に任せよう。

ということは、本作は難易度が低く性的に感じられか微妙な安エロゲー?
・・・いや、それだけではなく「ゲーム」として見える部分がある。

「見せる」ゲームで見える「ゲーム要素」

本作が見せる、ゲームとしての特徴は、弾幕攻撃の多彩さにある。

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敵の攻撃には、プレイヤーに向かって撃つ弾、扇状に撃つ弾、スプレッド弾、レーザーなど多種にわたる攻撃があり、弾は軌道を読んで誘導するように動いて避ける、スプレッド弾は爆破する前に安全な場所に逃げこむ、レーザーは撃つタイミングに合わせて移動するなど、それぞれに対応した攻略が求められる。

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といっても、どれもSTGではよく見られるもの、しかも全部で十数種類程度と限られているが、ステージの途中で「扇状と狙い撃つ弾が同時に来る」「レーザーを避けながらスプレッド弾も回避する」場面があるなど、2〜3種類の攻撃を組み合わせることで多彩なバリエーションを見せる。

そんな様々な弾幕が見せる映像の中で、背景の女の子が見せる微妙な表情の変化、プレイヤーが体の上にいる時にと離れた時、輪の中に入った時や脱いだ瞬間などで全て変わる。
これは『DEEP SPACE WAIFU』でも見られる演出だが、本作は避けるのみなので、映像を見て味わいながらプレイできる、そんな感覚がある。

このように、本作は限られたものをいかに組み合わせるかという「小さな要素を集めて組み上げていく」、そして映像で「見せる」ことの2点が重視されている、これがゲームのコンセプトであるように思う。

100円という低価格エロゲー、それとも奇ゲー?と思える本作だが、規模の小さい中で制作者が込めようとした「ゲーム」としての部分が見えてくる。そんな、いい形での意外性を味わえるゲームだった。

そして、本作についての記事はレビューだけではない。先日、制作者とのインタビューが実現したので、次の記事

『AHEGAL』制作者インタビュー・「避けるゲーム」のヒントは、ある有名RPGにあった

にて掲載する。

タグ:Steam review AHEGAL

posted by 司隆 at 11:46 | Comment(0) | Game
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