2018年11月10日

『DECO GADGET SYSTEM - デコガジェ -』スマホで蘇る「デコゲー」と、その中に見る「DECOの遺伝子」

バンダイナムコエンターテイメントが、2015年4月より企業やクリエイター向けに始めた「カタログIPオープン化プロジェクト」。
過去に発売されたゲームのキャラクターや音楽などを使って、新しいゲームやネットコンテンツを作る、いわゆる二次創作が可能となるプロジェクトで、ナムコ・DECO・ジャレコの39タイトルが解放されている。
ここ数年は、80〜90年代に発売されたゲームが新たに移植・リメイク・再発売されるケースが多く見られるが、これとまた別の方向性で、過去のゲームに触れる機会となっている。

そのプロジェンとによって発売されたゲームの一つが、今回紹介する『デコガジェ』である。

DECO GADGET SYSTEM - デコガジェ -
‎App Store / Google Play

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本作は、iPhoneやAndroidなどの携帯端末向け配信されたアプリ。価格は基本無料で、ゲーム画面に表示される広告や、少額で販売されるキャラクターなどの追加コンテンツが収入源となっている。
内容は、80〜90年代に活躍したゲームメーカー「データイースト」のアーケードゲームをモチーフにしたミニゲーム集で、現在は第1弾『ねこ・ザ・パンチ』のみ遊ぶことができる。
このゲームは、いたるところに「デコゲー」の要素が見える、それが大きな魅力と言える。

デコゲーとは?
データイーストは、「Data East Corporation」の略称「DECO(デコ)」の呼び名で知られるゲームメーカー。DECOが制作したゲーム、中でもアーケードゲームは、やたらと男臭いキャラクターや独特の世界を描いたものが多く、熱烈なファンの間では、その独特さを語る意味で「デコゲー」と呼ばれていた。
その中で、今回の『ねこ・ザ・パンチ』は、1990年にアーケードで発売された『トリオ・ザ・パンチ』がモチーフとなっている。このゲームはキャラクターやゲームの世界が異常とも言えるもので、デコゲーが見せた「独特の世界」を語るタイトルの一つとなっている。

ストアページの情報によると、今後アップデートによってゲームが追加予定とのことで、そのタイトルとして、
  • 羊の工場(トリオ・ザ・パンチ)
  • イライラ・クウガ(空牙)
  • スピンニンジャ(ダークシール)
が挙げられている。
ただし、バンダイナムコの「カタログIPオープン化プロジェクト」によって制作されたゲームは、配信期間が2020年3月までと定められている。つまり、本作もあと1年ほどしか遊ぶことができないので、デコゲー好きならすぐストアページに行ってダウンロードをお勧めする。

これを、デコゲーで使われたセリフを借りて言うならば、

「分かったか!?分かったらさっさと行け!!」

である。

叩くのみ、だが単純ではない

ここで掲載するスクリーンショットについて、本作では画面下に広告が常に表示されているので、トリミングによりカットしていることをご容赦願いたい。

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現在配信中のゲーム『ねこ・ザ・パンチ』の内容を一言で説明すると「モグラたたき」だ。
画面右にいる老師「チン」の「フォッ!」というかけ声と共にゲームのキャラクターが次々と出現する、ここで「招き猫」だけ画面タップで叩き割ると1ポイント、違うキャラクターを叩くか招き猫を逃してしまうと即ゲームオーバーとなる。

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ゲーム開始直後は、白い招き猫か赤い「だるま」だけが出てくるので、白を叩く・赤はスルーすれば楽勝と思って始めたが、途中で「赤い招き猫」が出て見逃してしまうなど、意外と単純にはいかない。
更に続けていくと、カルノフや羊などキャラクターが増えたり、老師が「フォッ!」と叫ぶだけで何も出さないなどフェイントをかけることもある。

その中で「羊」は見逃してもいいが、叩くと、
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羊の呪い」となってプレイヤーはしばらくの間羊になるが、ゲームに大きな変化はない。
この「羊の呪い」は、『トリオ・ザ・パンチ』におけるイベントの一つで、姿を変えられたプレイヤーは攻撃力がアップするが、「なぜ羊?なぜ呪われる?」などの疑問を無視するように突然起きて淡々と展開する、大きなインパクトを持ったものだった。
『トリオ・ザ・パンチ』を知らない人がこれを味わっても「なぜ羊?なぜ呪われる?」と思うだろうから、全く同じものと言っていい。そしてファンにとっては、あれをまた味わえる、嬉しい演出と言えるだろう。

そんな中で進めていくと・・・

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こんな奴が出てきて叩いたらミスって酷いw
でも、これらは全て『トリオ・ザ・パンチ』に登場したキャラクターで、それを上手く使ったゲームと言えるだろう。

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更に、ゲームオーバー後のコンティニュー画面や、プレイヤーは「タフガイ」の他、通算スコア達成のアンロックか有料で「ニンジャ」と「ケンシ」が使用できるなど、アーケードで見られた要素が随所に盛り込まれている。
キャラクターは変えたところで性能に変化はないが、プレイ中の音楽がアーケード同様に変わる。そこにお金を払うもしくはアンロックまで頑張るかは、ファンの思い入れ次第。

「変」を使ったゲームの方向性
『トリオ・ザ・パンチ』は、キャラクターやゲーム展開があまりに異質で特徴的だったが、本作ではそれを「変なもの」より「似たキャラクターがいて一瞬見間違える」ことに着目してゲーム化している。
そのため、見た目だけのネタに終わらず、ゲームとして成り立たせているところが面白い。だから、単純な内容でも楽しめる、そして笑える、更に当時のファンにとっては懐かしさと共に、デコゲーの要素を含んだ新作が味わえる嬉しさもある。
そんな、シンプルゲームに詰め込まれた様々なものを感じとることができる。

アプリで見るDECOの歴史、スタッフに見るDECOの姿

本作で、DECOを思い出す要素はゲーム本編に限らない。

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タイトル画面にはカセットテープが描かれているが、これは80年代にDECOが開発したシステム基板「デコカセットシステム」、通称「デコカセ」をモチーフにしたもので、本アプリ「デコガジェ」もそこから由来していると思われる。
デコカセとは、アーケードゲームをカセットテープで供給するシステムで、ゲームセンターがシステム基板さえ購入すれば、ゲームの購入や交換を安価かつ容易にできるというもの。今のゲーム機に似ているが、ゲームセンター向けのシステム基板としては世界初とも言われている。

また、アプリ内で「椎茸」に関する情報も表示されるが、これはかつて、データイーストがゲーム製作・販売だけでなく「椎茸の栽培と販売を行っていた時期がある」ことに関係する。デコゲーマーにとって椎茸とは、ネタでもあり、ある種の因縁でもある。

そんな、ちょっとしたアーケードゲームの歴史を、タイトル画面で味わうことができる。

DECOスタッフが関わる!?
更に、ツイッターにはデコガジェ公式アカウント(@deco_gadget)が存在するが、そのツイートによると、


とのことで、アプリ内で「STAFF」の項目を確認したところ、
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この中で、『ダークシール』などの製作スタッフである、漆原義之氏の名前を確認できた。更に『トリオ・ザ・パンチ』に関わった方がいるのかと調べていたが、このゲームはエンディングなどでスタッフロールがなく、情報が皆無のため確認できなかった。

DECOの遺伝子
データイーストは2003年に会社が消滅しているが、今回のように、当時のゲームをモチーフにしたものが新たに製作され、しかも当時のスタッフが関わり、当時の要素が盛り込まれている。言わば、DECOの遺伝子は残っている、
デコゲーの移植や新作は本作に限らず、今になって海外などで何作か発売されている。当時のファンとして、これからも何らかの形でDECOの要素が残って欲しいと願う。

これも、デコゲーの名言を借りて言うならば、

生きてい
てくれ!

という思いである。

更に、新たに発売された現代のデコゲーは、スマホだけではなかった。

『Heavy Burger』
対戦STGとして蘇るデコゲー、全編にあふれるデコテイスト

Steamで配信中のゲーム『Heavy Burger』についても記事を書いているので、合わせて読んでいただきたい。


posted by 司隆 at 21:19 | Comment(0) | Game
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