2018年10月14日

『Solid Aether』STGで「弾幕を、アートする」

今回紹介するのは、縦スクロールタイプのSTG、中でも、画面いっぱいに撒かれる弾を避けることがメインの、いわゆる「弾幕STG」と呼ばれるゲーム。

Solid Aether
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だがこのゲームで、武器はノーマルショットのみでパワーアップが無い、更にボムも無い。それどころか、プレイヤーも敵もボスもキャラクターは全て四角形のみ、映像はモノクロで、ゲーム中はスコアや残機など情報の表示も一切無し。

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画面に見えるのは、白い背景の中でうごめく四角形のキャラクター達、その「動き」のみで全てを作り出すという、究極なまでにストイックなゲーム。
それだけで作り出されたものはSTGと言えるのか、そこで楽しむ要素はあるのだろうか。

動きで見せる、弾幕の姿

ゲームは、ステージをクリアしていくノーマルモードと、ライフがなくなるまで延々と続けるエンドレスモードの2種類あるが、ここでは主にノーマルモードについて書いていく。
操作はレバーで移動、ショットボタンと共に、低速移動ボタンがある。これは、押している間だけプレイヤーの移動速度がゆっくりになるので、弾幕が集中してわずかな隙間を縫うような場面で効果を発揮する。
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また、低速移動時はプレイヤーの中央に黒い四角形が表示される。ここが敵や弾に接触するとミスになる、いわゆる「当たり判定」の範囲なので、弾を目で追いながらギリギリで避ける、そのスリルを味わうこともできる。

攻撃の「進化」
ゲーム開始直後、1ステージの序盤で、敵はプレイヤーに向かってまっすぐ直線的に弾を撃ってくる。その弾も、速度が速いものや遅いもの、その両方が混じり合うなど、最初は速度の組み合わせでバリエーションを持たせている。
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ステージ1・2・3の場面。直線・放射状・速度と軌道が変化、などバリエーションに富んだ攻撃を見せる。
それが1ステージ終盤から2ステージでは、敵の周りから弾が放射状に、まるで花火が連続で打ち上げられるかのように発射され、3ステージでは、広がった弾が一度静止してからプレイヤーめがけて放たれるなど、飛行中に軌道や速度が変化する弾も出現する。

最初は単純な攻撃から、直線と曲線、低速と高速、狙い撃ちと放射状など、ステージを重ねるごとに少しずつ種類が増え、かつ複雑な動きになる。その変化はまるで、弾の一つ一つが生命を持ち、進化するようでもある。
また、敵と弾で魅せる弾幕は、流れるように「描く」映像としても美しく、バックに流れる音楽は、敵の攻撃が激しくなると速いテンポのメロディになるなど、ゲームの進行や攻撃とシンクロするように演奏される。

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ライフの詳細として、ゲーム開始時は4、敵を30体破壊 or ボスに1ダメージ与えると加算、ただし最大6以上は増えないので、とにかく「被弾を避けて攻撃」が基本。
そして各ステージの終盤はボスとの一騎打ち。ステージ中で見せた、狙い撃ちや放射状に広がるものものなど様々な攻撃でプレイヤーを襲う、まさにステージの集大成を見せてくれる。

避けきらなくてもいい、それが遊びやすさ
この弾幕攻撃に対して、プレイヤーは一切被弾せず避けるのは難しい、特にSTGに慣れない人は全く手が付けられないだろう。
だが、このゲームはライフ制なので、被弾してもライフがゼロにならない限りゲームは続行され、更にショットで敵を一定数破壊するだけでライフが増加するシステムとなっている。
だから、弾を恐れず撃ち込む、だが連続の被弾だけは避ける、それに集中さえすればゲームオーバーを回避することができる。

遊びやすく続けやすい難易度とシステム、弾幕を魅せるための映像と音楽。これらが『Solid Aether』の魅力だ。

弾幕は味わうもの、STGは感じるもの

「弾幕STG」と名付けられたゲームは、今までアーケード・家庭用・同人・インディーなど様々な形で製作されているが、その中で『Solid Aether』のように、弾の速度や動きが変化する、まるで弾自体が生きているかのような動きをするものは、ケイブの『ケイツ』『プロギアの嵐』、弾幕STG以外では『ダライアス』シリーズで多く、『東方Project』などでも一部の攻撃で見られる。
また、線画のように描かれた映像が魅力と言えるゲームとして、「ABA Games」が製作したSTG『rRootage』などがある。

そういった作品が数ある中で、『Solid Aether』が見せたものは、究極までのミニマム化、それによって引き出された、弾幕STGの「味わい方」だと思う。

モノクロでキャラクターを統一した映像や、スコアや残機など情報の削除など、あらゆる要素を排除してミニマム化する、更に難易度を抑えたシステムのおかげで、プレイヤーが考えることは「弾幕を避けて撃つこと」のみ、それによってSTGの破壊や弾避けを「味わう」ことができる。それがゲームのコンセプトと言えるだろう。

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その中に映像や音楽が合わせられ、ゲームの操作感覚と一体となることで、弾幕を味わい・感じ取り・感動する。それはもう、弾幕を体感する一種のアート、という視点で捉えるのも、楽しみ方の一つだと思う。


そんな、独自の特徴を弾幕STGを、じっくり味わってみてはいかがだろうか。


posted by 司隆 at 19:08 | Comment(0) | Game
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