2017年09月24日

『AngerForce: Reloaded』中国デベロッパーが描いた「日本の90年代STG」とは

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Steamで配信されているタイトル『AngerForce: Reloaded』は、中国のデベロッパーが制作したスクロールタイプのシューティングゲーム(以下STG)で、2014年にスマートフォン向けに配信されていた『AngerForce - Strikers』をPC向けに改良したものである。
公式サイトによると「90年代の日本のアーケードSTGから大きな影響を受けた」とのことで、中国から見た日本のSTGとはどんなものか?と思いつつ購入したが、確かに、ゲームシステムやステージ構成など、それを感じさせるものが随所に見られる。

そこで、ゲーム内容を説明しながら、影響を受けたという「90年代のアーケードSTG」とは何だったについて、探ってみたいと思う。

攻めと守り、懐かしさと新しさ

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ステージ構成は、道中で出現する敵と攻撃を避けながらショットで破壊、終盤に出現するボスを倒せばクリアという、オーソドックスなタイプの縦スクロールSTG。プレイヤーは残機無しのライフ制で、敵の攻撃を受けるとHPが減少し、ゼロになった時点でゲームオーバーになる。

プレイヤーが使用する武器は「ショット」、画面上の敵に絶大なダメージを与える「ボム」と、ショットより強力な攻撃ができる「スキル」がキャラクターごとに2種類用意されている。2種類は主に、剣やショットガンなどの近接攻撃と、火の玉を前方に放つなどの遠方攻撃に分かれる。

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スキルを使用ためにはエネルギーが必要で、敵を倒した時に出現するアイテムの取得か、パッドの「チャージボタン」を押し続けると溜まっていくが、チャージ中はショットも撃つことができず、攻撃を避けるのみとなってしまう。
このため、道中は敵を確実に破壊してエネルギーアイテムを取る、ボス戦では他の敵が出ずアイテム取得もできないので、溜めながら弾避けに徹するなど、ショットとスキルの使い分け、そして攻撃とチャージで「攻めるか守るか」の切り替えが重要になる。

プレイヤーの操作は、ショット・ボム・チャージ・2種類のスキル、更に押している間だけスピードアップ・ダウンするボタンもあるので、全部でレバー+7ボタンとなる。
少々複雑に思えるが、どの操作もボタン一つで対応できる、瞬間の判断と動きが重要なSTGならではの形とも言える。これをジョイスティックで行うと、右手で全てのボタンを使い分けなければならないので、両手の指を使うパッドが操作しやすいだろう。

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他のシステムとして、連続攻撃によるコンボボーナス、スキルの使用を続けるとボムが生成される、各ステージをクリアすると3〜4枚のパネルから1枚選ぶことで様々なパワーアップができる、代わりに道中はパワーアップアイテムがないなど、STGによく見られるものや少し改良したものなどが細かな部分にも見られる。

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ストーリーモードは、3ステージで構成される「ルーキー」、5ステージの「ノーマル」をクリアすれば、「ベテラン」で全7ステージをプレイすることができる。モードによって、ステージ数だけでなく敵の攻撃など難易度も変わるので、段階を踏んで進めていくことができる。

キャラクターについて
プレイヤーが操作するキャラクターは4種類。
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  • Samhill(男性キャラ)ショットは前方集中、攻撃力やHPなど平均的な性能。
  • Echo(女性キャラ)ショットは前方集中、HPは少ないが高い攻撃力。
  • Shin(仮面をかぶった少年?)ショットはやや扇状で広範囲、剣で弾を消去するなど近接攻撃重視。
  • Asimo(ロボット)ショットは扇状で広範囲、4キャラ中最もHPが高い。

と、それぞれ特徴を持っているが、中でも「Asimo」はHPが高い上、広範囲に撃たれるショットはザコの一層や、耐久力のある敵には集中的に当てると倒しやすくなるなど、最も使いやすいと思う。

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また、ストーリーモードの開始時や全面クリア時などで、キャラクターごとに異なるビジュアルシーンが流れる。各キャラそれぞれ何かを背負いながら敵と戦うといった感じで、ドラマを味わうのも楽しみの一つになる。

新しい90年代
先ほど書いたように、このゲームは制作側いわく「90年代アーケードSTGに影響を受けた」ということだが、90年代に構築されたスクロールSTGの基本形を引き継ぎながら、映像はポリゴンやイラスト風に描かれた美しい映像を見せたり、パットで使いやすくなる操作や独自のシステム、ビジュアルシーンなど、リメイクやレトロ風にとどまらず、様々な面で現在の要素を盛り込もうとする工夫がある。

そんな、90年代と2000年代以降の要素が融合されたこのゲームに、懐かしさと新しい感覚の両方を味わう事ができる。言わば「新しい90年代STG」だ。

90年代STGとは

ここからは、本作と90年代アーケードSTG、中でも本作と同様の縦スクロールSTGとの関連について、私が思うことを書いていきたい。

アーケードSTGにとって90年代とは、1990年に発売されたセイブ開発の『雷電』を始めとして、『達人王』など東亜プラン、その流れを引き継ぐ『首領蜂』などケイブ、また他メーカーからも『レイフォース』『バトルガレッガ』『19XX』など数々の名作が生まれた。
だがその一方で、格闘ゲームが大ヒットするなど他ジャンルの人気に押されたり、STGの制作にこだわった東亜プランの倒産など、決して華やかとは言い切れなかった。90年代はSTG、というよりアーケードゲーム全般で「激動の時代」だったと言える。

その中で『AngerForce: Reloaded』は、どのゲームに大きな影響を受けたのか?

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映像はキャラクターの輪郭が強調されて描かれるなどポップな雰囲気は『ラジルギ』などマイルストーンのゲームを連想する。また、ボスなどで扇状に弾を撃つ攻撃は『ストライカーズ1945』など彩京のゲームを連想するが、そもそもスマートフォン向けのタイトルは『AngerForce - Strikers』と、そのものズバリ「ストライカーズ」の名前が付けられていたので、これに影響を受けた可能性は高い。
だが、私が感じるのはそれらのタイトルや、『雷電』『達人王』などの有名タイトルではなかった。

ゲームに感じる味と「臭さ」
90年代の主に前半は、今でも家庭用に移植されるような有名タイトルに限らず、いくつものメーカーから数多くのSTGが発売された。NMKの『サンダードラゴン』、フェイスの『ノストラダムス』『サンドスコーピオン』、ガゼルの『アクウギャレット』、アリュメの『マッドシャーク』など。

どれもが同じようなボンバーSTGのスタイルで、敵がやたら堅いとか攻撃が凶悪とか、全体的に見ると平凡かつ極端。でもやり込むと、システムやボスの攻撃が特殊など、どこかに特徴や光るものが見える。これらは「マイナーSTG」「B級STG」などと呼ばれていたが、実際にプレイしないと味わえない特徴や世界がそれぞれのゲームにある。
当時、私はそれを味わいたくて、ゲームセンターでSTGを見つける度にプレイして楽しんでいた。私が今でもSTGをプレイして語り続けているのは、その「STGの味」を知っているからだと思う。

・・・とまあ、私個人の思い出も語っているが、『AngerForce: Reloaded』は、映像やシステムなど丁寧に作られているものの、道中やボスの攻撃など工夫を凝らしているようで繊細さに欠ける大味な感覚、そこに90年代マイナーSTGの泥臭さがあるのだ。
もしかして、ゲームのスタッフが影響を受けたSTGは、このマイナー系が主ではないか、中国のゲームセンターでは当時、このようなSTGが数多く置かれていて、それらを味わっていたのだろうか。などと想像してしまう。

日本ではここ数年、STGの新作をほとんど見る事がなくなったが、インディーズタイトルでは本作などで、またメーカー制作でも、ガルチの『RXN-雷神-』など、新作の動きは少しずつ見られる。
これから、少しずつでもSTG新作を味わう事ができるだろうか、楽しみではある。


posted by 司隆 at 19:28 | Comment(0) | Game
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