2016年06月10日

『ケツノアナ』 インパクトの先に見える「野望」、それはプレイヤーに届いたか

この記事も含めて、インディーズゲームに関するまとめはこちらLink


ゲームで、初めて画面を見た時やプレイした時に強いインパクトがあると、それが印象に残ることやハマるきっかけになることもあるが、このゲームは、画面より前にタイトルを見た時点で強烈なインパクトを受ける。

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Ke-Tsu-No-Ana(Steam販売ページ)

ゲームタイトルは「ケツノアナ」。一度聞いたら絶対忘れないようなタイトルだが、れっきとしたスクロールタイプのシューティングゲーム(以下STG)で、作者のTwitterアカウントによると、1人で制作されているとのこと。

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画面はクォータービューと呼ばれる斜め上から見下ろしたタイプの映像、過去のタイトルで言えばビューポイントを思わせる。
これによってキャラクターや動きを立体的に見せることが特徴の1つとなっているが、ゲームの中でも、地上からせり上がって姿を見せるボスキャラなど、それを活かした動きがある。

ステージ1では岩や遺跡のようなものが見えるが、そこに次々と現れる敵はメカが中心で、攻撃は主に「弾」による。自機を狙って撃ち込んでくるもの、放射状や扇状、1本の帯のように連なったものなどは「雷電」シリーズを彷彿とする。
そんな映像とプレイ感覚に、極めて硬派なSTGという印象を受ける。

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だが、タイトル画面で一瞬見える手の形、ゲーム画面の所々に描かれている菊のようなマーク、また高次面のボスなどで、タイトルの「ケツノアナ」から連想されるようなデザインも見られる。
硬派な中に下ネタのようなものが見え隠れするという、妙な組み合わせとなっている。

システム面から見える独自のスタイル

プレイヤーが操作する機体は3種類あり、広範囲の攻撃主体、近接攻撃主体、破壊力主体とそれぞれ特徴を持っているが、それらはゲームスタート時に選ぶことができる。

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どの機体にも数種類の武器が装備されているが、内容は次の通り。

  • メインショット
    ショットボタンを押すと発射され、連射も可能。
    唯一、制限なく使用できる武器。
  • サブウエポン
    敵の破壊によってゲージが溜まっていき、一定量で1回分ストックされ使用可能になる。
    メインショットより強力な攻撃ができるが、一度に3つまでしかストックされない。
  • ロックオン
    ロックボタンを押し続けると敵をロックオン〜離すと攻撃、破壊の爆風で敵弾を消す効果もある。
    巻き込んだ敵と弾はポイントアイテムになって取得できるので、まとめて破壊すると高得点だが、一度使用すると数秒待たねばならず、連続の使用は不可。
  • 溜め撃ち
    ショットボタンを1秒押す〜離す操作で発動する、通常より強力なショット。
    ポイントアイテムを拾ってエネルギーを溜めると使用可能となり、溜めるほど1回の攻撃力が強くなる。

機体ごとに若干の違いはあるものの、役目としてはこの4種類で、コントローラーのショット・ロック・サブウエポンボタンで使い分けていく。
メインショット以外は強力な攻撃ができる反面、何かをしないと使えないなどの制限がある。そのゲージやエネルギーなどは画面下に表示されているので、常にこれを意識しながらプレイする必要がある。
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自機は残機無しのシールド制で、攻撃を受けてシールドが剥がれる〜更に受けるとゲームオーバー。
だが、一度剥がれたシールドは時間が経てば復活するので、最初は攻撃に徹してシールドが剥がれたら防御に徹するなどの戦略が必要になる。

定番を使ったオリジナル
ショット、シールド、ロックオンなど、一つ一つの要素は依存のSTGで見たことがある、むしろ定番と言えるものものばかりだが、それらに若干のアレンジを加えて独自のものを作っている。

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STGをプレイする上で醍醐味の一つとして挙げられるのが攻略。プレイしながら敵の攻撃や出現タイミングなどを把握し、繰り返しのプレイで対応する戦略を考えたり見つけ出していき、その結果進んでいけるところにあるが、このゲームでは「考える」部分に「特徴と制限がある武器の使い分け」という戦略要素を盛り込んで、独自のスタイルを持たせようとする試みがあるように思う。

活かせなかった難易度

そんな制作者の意図がシステム面で見えるゲームだが、実際のプレイではそれを楽しむことができるのか――
答えはノーだ。なぜなら、敵の攻撃と配置がその全てを台無しにしているからだ。

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ゲームをスタートすれば、どのステージでも最初から数多くの敵と弾が出現し、怒濤の攻撃を仕掛けてくる。更に砲台などの地上物が画面の両端に配置されるなど、この中で全ての破壊は難しい場面が多く、しかも撃ち逃した砲台は画面から消えるまでしつこく撃ち続けてくるため、対応の方法を見つけ出せず、あっという間にゲームオーバーになりやすい。
そのため、戦略を組んだり考える暇もなく、とにかく使える武器をどんどん使えという、ゴリ押しの進め方になってしまう。

せめて初プレイ時くらいは、いかにも「ショットでゲージが溜まってきたこの辺で大きな敵が出現するのでサブウエポンを使え」と誘導されるチュートリアルのような配置を、進むにつれて戦略が必要な形になってくれたら、「覚えて考えて攻略したい」と楽しめるゲームになってくれたように思う。

冒頭でも書いたように、このゲームは「一人で製作した」とのことで、本当に全く一人であれば、その力量に驚かれると共に、作者の野望のようなものが見える。
でもその反面、他の人の意見を取り入れて難易度などを調整できなかったのだろうかという、残念な気持ちもある。
そんな、いい意味でも悪い意味でも一人で製作したことが大きく現れたゲームだったように思うし、今後バージョンアップ等で再調整されたら、また続けてプレイしたい。

追記
また、ブログにアップする以前に、Steamレビューに書いているので、そちらも紹介。

Steamレビュー:Ke-Tsu-No-Ana

基本的に書いている内容は同じ。


posted by 司隆 at 21:15 | Comment(0) | Game
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