2015年03月29日

Borealis・ゲームのようでゲームでない何か

 この記事も含めて、インディーズゲームについて書いたまとめはこちらLink


 今から書いていこうとするものは、「ゲーム」の形式を持っていながら、それとは少し言いがたい。言ってみれば、「ゲームのようで、ゲームでない何か」。
 紹介と共に、これは何なのか?について触れていきたいと思う。

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Borealis(Steam販売ページ)
Borealis by Conrad Nelson(Kickstarter)

 このゲーム、Kickstarterで予算を募って制作されたようで、ゲームの概要はそこに書かれている。それにしても650ドル(約7万8000円)と、製作者個人でも出せそうな低予算で制作されたらしい。

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 プレイヤーは、画面中央にある「光」の点。そして周りからも同じような光の点(Kickstarterの説明ではミサイルと書かれている)が近づいてくる。これをひたすら避けるゲーム。
 光はプレイヤーに向かってくるが、うまく誘導して光同士をぶつけて消滅させる事もできる。これを使えば敵の数を減らせるので、有利になっていく。

特殊な操作と、特殊な映像

 ゲーム起動直後に開始した時は、文字でメッセージのようなものがいくつか出てくる。それを書いていくと、

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Slow down (ゆっくり)
Smooth movements are key (スムーズな動きが鍵となります)
You can't go any faster (速く移動はできません)
So just relax (だから、ただリラックス)
And plan ahead (そして、先を読む)

 これが、ゲームの概要と言っていい。

 プレイヤーの移動は、ゲームコントローラーの右アナログスティック(左ではないので注意)でも可能だが、メニューなどでカーソルが動かせないので、基本はマウス。
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 だがこの場合、マウスを素早く動かしたら赤く光って、かえって速度が遅くなるという少し特殊なもので、常にマウスを一定の速度でゆっくり動かしながら、迫り来る光の動きを読み、誘導したり避けていく。
 これが、メッセージに出てくる「スムーズな動き」「リラックス」「先を読む」の意味で、ゆったりとしたゲーム進行を、まるで強制されるように味わう事になる。

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 ゲーム中は様々な場面が一定時間ごとに切り替わる。

 最初は宇宙が延々流れるものから、背景も敵も白黒の中、見えるものと見えない所を往来しながら避ける場面、レトロ風ドット絵の場面、大量の光が幾何学模様を描くように迫り来る場面など、全部で13種類あって、次に何が来るかはランダム。
 静かで淡々と続くゲームの中で、場面ごとに敵の動き、それによる光の誘導や避け方などの攻略が変わる。更に、背景などの映像、音楽と効果音も次々と変わっていく。

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 ゲームモードは、1ミスで終了のSurvival、4ミスで終了のScore Run、ミスしても終わらずに延々続けられるEndless。各モードそれぞれ好きな場面から始められるものと、計6モード。
 SurvivalとScore Runは終了までのスコアを競うが、Endlessはスコアどころか強制終了しない限りゲームオーバーが無く、もはやゲームではない。その静かな映像や音楽、感覚を味わうための、環境ソフトと捉えた方がいいかもしれない。

楽しむよりも

 ここで私が面白いと思ったのは、それに触れた時の感覚。

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 ゲーム中に見せる映像も音は、あまりに静か。そこに延々光が流れるだけの世界で、ゆっくり静かにマウスを動かしながら進めていくと、最初は強制的と感じていたものが、その世界に瞑想するような、没頭させられるような、不思議な感覚を味わえる。

 ただしゲームとしては、あまりに薄い。

 Survival、Score Runモードにはスコアがあるが、どちらも「時間」のみで加算されているため、敵同士を誘導してぶつけるなどはほとんど意味が無い。これだけでも得点になれば、ゲームとしてもっと楽しめたかもしれない。

 だからこれは、ゲームとして競ったり攻略を「楽しむ」より、ひたすら「味わう」ものだった。

の・ようなもの

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 Kickstarterを見ていたら、制作者は学生でこれからゲーム会社を作りたいと書いているようで、今回の低予算や小規模の理由も見えてきた印象。

 そういう小さい作品だけに、「避けて進む」以上のものがない、場面は限られる、延々似たような音楽と、どれもが浅く、長く続けられるものとは言えない。良く言えば手軽、悪く言えば中途半端。

 だから、「ゲーム?」と聞かれたら、そうと言い切れない。それが最初に言った「ゲームのような何か」。
「じゃあ、クソゲーかよw」そんな単純な捉え方もありかも知れない。
「アート?環境ソフト?」そんな面も持っている。

 その人の触れ方、感じ方によって、クソゲーだったりアートだったり、印象が変わっていくものではないかと思う。

 では、私自身にとっての印象は、その浅い要素が混じり合ってできる感覚が独特で面白いと感じているし、だからここで書きたくなった。
 私にとってはやはり、「ゲームのような何か」でしかない。それが気に入っているのかもしれない。




posted by 司隆 at 09:37 | Comment(0) | Game
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