2014年09月06日

原画を観る楽しさ

 夏休みのためだろうか、この夏の間、マンガ・アニメの原画展が大阪で立て続けに行われた。
20140906-01.jpg
 開催された中で私が行ったのは、「エヴァンゲリオン展」「藤子・F・不二雄展」「攻殻機動隊 大原画展」。それについて観て来た事や感想を書いてみたいと思う。
 ちなみに、エヴァンゲリオン展、攻殻機動隊 大原画展の大阪会場は、障害者手帳で無料だった。

それぞれの展示会

 私が見に行った原画展、行った順番に書いていこうと思う。

エヴァンゲリオン展

20140906-02.jpg
エヴァンゲリオン展(大阪会場は終了)

 エヴァンゲリオン・新劇場版で公開予定の第4弾に先駆けての開催。エヴァの中でも新劇場版のアニメで使用された原画などを展示されている。

 ここでの魅力は、物語に出てくるキャラクター、エヴァや使徒、兵器などのメカデザイン、アニメーションの制作過程も見せるなど、この物語の魅力を様々な視点で見せてくれた。
20140906-08.jpg
 また、私が行った阪急百貨店の会場横には広場があるため、初号機のオブジェも展示されるなど、原画以外でも楽しませてくれた。
 その様々なものを見せてもらったが、私が特に興味を引いたのはメカデザインの原画。その中でも、設備や重機、車両に注目していた。この辺は私の仕事柄もある。

 その中で、私が面白いと思った事。メカデザインの中で、ある車両の設定原画があった。
 下の絵は、その部分を記憶で再現して描いたものだが、もの凄く簡素に描いてるのはご容赦を。

20140906-03.jpg
 車両の端で、人が乗り込む階段に手すりが付いていたが、こんな感じで変な曲げ方がされていた。でもその部分をよく見ると、最初はまっすぐだったのを修正した跡がある。
 何でわざわざこんな形状に?と考えたら、曲げている部分は「人が乗り込む時の取っ手」を後で付け加えたものかと気付く。
 普通はこんな所に注目なんてしないけど、原画だからそんな細かい所を見て知る事ができた。
 ちなみに、この車両はどこに使われているか、劇場版3作を見ていたが、見当たらなかった。没デザインなのかは記憶薄。

 また他の原画でも、パイプやダクトが大量に出ている設備で、ダクトの方向を一本一本いちいち修正しているなど、原画の中で設備や重機は特に、何度も何度も修正された跡が見えた。
 デザインだけでなく、機能的にも想像しながら手が加えられている、そんな制作者の意思が見えて、何かワクワクする気分だった。

藤子・F・不二雄展

20140906-04.jpg
生誕80周年記念「藤子・F・不二雄展」(大阪会場・10/5まで)

 今更説明する必要も無い、ドラえもんなど数多くのマンガを描いた、藤子・F・不二雄氏の生誕80周年、と共に劇場版ドラえもんの公開記念として開催されている。

 会場に入ると、まずプロジェクションマッピングを使った迫力ある映像を見せてくれたり、私が小学生の時によく読んでいたドラえもん、おばけのQ太郎、パーマン、また数多くのSF作品から、デビュー作や少年時代に制作したマンガの原稿(複製原稿含む)まで展示されていた。

 その原稿を見て気がつくのは、セリフなどで色々と修正が加えられている事。

20140906-07.jpg
 これは、会場のショップで購入した、ドラえもん第1話の原稿が印刷されたクリアファイル。
 展示されている原稿はこんな感じで、セリフは活字を上から貼り付けた形で作られているため、セリフの文字を始め、句読点や感嘆符の削除や追加、漢字やひらがなにするなどの修正が、切り貼りの跡としてはっきり見えて、制作過程の一部が見える。

 また、パーマン第1話の原稿では、私の記憶しているセリフで「おじさんは精神病院から脱走して来たんだね」「秘密をバラしたら、この銃で本当のパーにする」というものが修正されていた。それに限っては複製原稿で、その部分に鉛筆で印が入れられていた。
 恐らく、今では不適切な表現を、現在の版用に修正したと思われる。

 これだけで、藤子・F氏が間近に見えるようだった。

攻殻機動隊 大原画展

20140906-05.jpg
攻殻機動隊 大原画展(大阪会場は9/8まで)

 士郎正宗原作のSFマンガ、攻殻機動隊。その中で劇場版をはじめとするアニメの原画が主な展示。

 ここの魅力も他の原画展と同じく、原画だから見える制作過程がある事だった。

20140906-06.jpg
 これは、会場のショップで購入したポストカードで、宛名欄にはこんな原画の一部が印刷されていた。
 原画にはこんな感じで、「動きはこんな感じで回って」「この部分、影で暗くなるけど、場面のセリフに合ってると思います」など、デザインと共に、他のスタッフに内容を伝えるためのコメントが常に文字で書かれている。

 ここでもメカデザインは多かったが、細部を見たら、丸い部分を定規ではなく全部フリーハンドなど、どうやって描いているかが見えたり、下書きと共に色を付けた完成版も隣にあって変化を見比べる事ができたり、先の原画展とはまた違う形で、制作過程や現場の一部が見えたように思う。

原画の面白さ

 私は美術展にはよく行くけど、できるだけ「作者はどういう意図でこれを作ったか?」を考えると面白いなと思って観てる。
 それは勝手な想像かもしれないし、考えても分からんものもあるけど、そうやって観る事で、別の視点や以外と見えないものが見えるような気がしたり、それが面白いと思っているので。

 今回行った3つの原画展も、できるだけそういうのを考えるつもりで観て、完成したデザインだと見過ごしてしまいそうなこだわりが見えたり、制作の過程とともに、これだけでドラマが見えてきたような気がする。
 この辺が原画の魅力だなと、個人的には思ってる。




posted by 司隆 at 13:33 | Comment(0) | Art
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。