2014年08月24日

Secrets of Raetikon・鳥の視点で見える「生命」

 よく言われる話。
 ゲームで敵を倒すような行為を「簡単に人を傷つけたり殺す感覚になる」とか「ゲームと現実の区別が付いていない」とか、何かとゲームを悪として取りだたされる事がある。
 私は、ゲームのそれと現実とは全く別次元のもの。言わば、ゲームをやっているから区別が付くものだと思っている。

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Secrets of Raetikon(公式ページ・海外)
Steam販売ページ:Secrets of Raetikon

Broken Rules(制作元・海外)
Official Secrets of Raetikon Wiki(公式Wiki・海外)

 インディーズ系のタイトルとして配信されているゲーム。
 これは、「ゲームで敵を倒す」行為を含め、様々なものを独自の表現で描いている意欲作と言える。

 正確なタイトルは「Secrets of R"æ"tikon」と、ラテン文字の合字が使われているが、ここでは英語表記で"ae"と書いてる。
 また、制作元では公式Wikiページを作成しているので、キャラクターの名称などは、ここに書かれているものを使用している。

自然の中に見える、機械と生命

 舞台となる自然の中、そこにいるたくさんの動物達、その中に巨大な遺跡や装置のようなものが各所に見えるが、人間は一切出てこない。
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 その世界にいる一匹の鳥がプレイヤー。この不思議な空間の中を飛び回り、謎を解き明かしていく。

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 特徴の一つと言えるのは、その映像。ほとんどは単色で直線の多角形、それらの集合体で描かれている。
 一見記号や図形のような絵で自然が描かれると共に、動物達は飛んだり走り回る、風や水が流れる、岩が転げ落ちていくなど、その動きでも自然の世界を見せる。
 それはまるで、コンピューターでありながら生命が吹き込まれたかのような印象を持つ。

 操作はキーボード、マウス、コントローラーが可能だが、コントローラーはXbox360用が基準となっている。
 それで説明すると、左レバーで鳥を動かすと共に、ボタンで

A:羽ばたいて加速する
RB:木や石、動物などを掴む
LB:真下に急降下

 と、基本的なものはこれだけ。

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 これで大空や岩山、森林、湖など広い空間の中を風に乗りながら、本当に鳥になったように、自由に飛び回る浮遊感を楽しめる。

進む方法と生きる方法

 基本的なルールと進行について。

 ゲーム中、三角形で光る「オーブ」と呼ばれるターゲットが出てくる。
 その色は3種類あって、
20140824-orb-y.png世界の各所に置かれていたり、隠されている。
一定数取得して、遺跡の前で使用すればイベント発生、次の場所に行ける。
20140824-orb-r.png動物を殺したり、木を引き抜くなどで出現。
取るとライフ回復。
20140824-orb-b.png世界の各所に置かれていたり、隠されている。
一定数取得でハートが点灯、ライフが無くなった時に復活。
ゲーム的な言い方をすると、残機が増える。
 この中で、黄色のオーブを取得して遺跡を起動させたり、特定のオブジェクトを運ぶなどして行き先を広げていくのが主なゲーム進行。
 取得した黄色のオーブは、コントローラーのXボタンで使用、またBボタンで近くに取れるものを指示するナビゲーターの役目をしてくれる。

 取得しなければならない黄色のオーブは、世界のいたる場所にあるが、時には隠れた通路や水の底に、時には謎を解き明かさないといけない場面もある。
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 謎解きは主に、何かを探したり運んでいくものがほとんどで、複雑に考えたり難しいものではない。また解き明かした時には、それを祝福してくれるかのような映像を映し出してくれる。

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 そのために、様々なイベントも発生するが、何をするべきかは常に映像で、また最初は簡単な文字でも伝えられる。

 その進行に対して最も障害となるのが、攻撃してくる動物。鷹など大形の鳥やヤマネコなどがいるが、それらの攻撃を受けてライフがゼロになると、鳥は命を落とす。
 そうなってもすぐ再プレイできるが、その時に取得していたオーブは全部死んだ地点にばらまかれるので、再び取りに行かなければならない。
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 動物の攻撃は、自分に向かって来るというより、近くの動物を手当たり次第という動きなので、おびき寄せて逃げたり、隙を狙って直接掴んで投げ飛ばすなど反撃も可能。
 攻撃するものに関係なく、動物を殺すと赤いオーブが出てライフ回復ができる。また植物を引き抜いてオーブが出るものもあるので、これらでいかにライフを維持するかも重要。

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 また、至る所に卵が落ちているが、掴んで巣に運ぶと、卵がかえって雛が生まれると共に、青いオーブが出る。だが、巣に運ばずに割ってしまうと、赤いオーブになる。

 これらの条件を簡単に言うと、

動物の生命を奪と赤いオーブが、逆に生命を助けると青いオーブが出る

 という事。

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 運んでいくものの中には、掴んでいるだけで動物達が寄ってきて奪われたり、奪い返そうとしたら仲間同士でパスされて邪魔をされるという、まるで動物にもてあそばれるようなものも味わう。
 そんな、動物によって様々な動きを見せてくれる中で、切り抜ける方法は操作テクニックしかなく、アクションゲームとしての面白さもここに盛り込まれている。

 ゲーム進行と直接関係ない部分で楽しむ要素として、石盤が置かれている。RBを押すと読めるが、文字は「ルーン文字」と呼ばれる象形文字。
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 この意味は、途中にある文字のターゲットを取ると、アルファベットの各文字に当てはまる事が分かる。
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 このアルファベット26個のターゲットは、行った先ですぐ見つかるものから、あらゆる場所をくまなく探し回らないと見つからないもの、タイミング良くダッシュなど操作テクニックを使わないと取れないものもあり、ゲームとは別の形で、探索の楽しさも設けられている。
 これらを全て集めたり、アルファベットに直して解読するのも一興。

ゲームの世界で描かれる生命とは

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 この画面は、アーケードゲームの元祖とも言われる「ポン」を思わせるが、こんなものも出てくる。
 ネタバレしない程度に思う事を書くと、これは「全ては原点に戻る」を表現していると認識しているが、どうやってもこのポンを見る事になるらしく、「本当にこれでいいのか?」と思える部分もある。

 これが何なのか、謎を解き明かした先には何が見えるのか。それは実際ゲームで確認して欲しいので説明を控えるとして、ゲームについて思う事。

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 ゲームの中で、特に進行のため生き抜いて行く方法として、動物を倒したり卵を割るなどして赤いオーブを出し、ライフを手に入れる必要が出てくる。
 でも、青いオーブを世界のあらゆる場所から探し求めてもいいし、卵を巣に入れて手に入れてもいい。それも取らず操作テクニックのみで切り抜ける方法もあるが、赤いオーブより遙かに多くの労力が必要。

 このシステムは、自分が生きる方法として、動物達の生命を「奪って生き延びる」か「宿して次の命に繋ぐ」かを選択させている事になる。
 その事は、後のある場面で更に直接的な表現で見せつけられ、気付かされる。
 動物という視点で生命そのものを描いていて、最初に「ゲームで敵を倒す行為と現実の殺すとは全く別次元」と書いたが、それを同じ次元で見せようとしていると感じた。
 それが、このゲームで最も驚かされた所。

 鳥になって飛ぶ浮遊感、動物の世界で戦ったり命を救う、そこに見える生命。ゲーム自体は全く新しいと言えないが、様々で特殊な感覚を味わえた。
 それがこのゲーム「Secrets of Raetikon」だと思う。


(2014/08/30 追記)

 Steamのレビューでも書いた。

Steamコミュニティ:Secrets of Raetikon レビュー

 こちらではゲームの概要説明を主にしたり、違うアプローチを目指してみた。
 これからもレビューもできるだけ、Steamとブログの両方で、お互い別視点で書いてみたいと思う。




posted by 司隆 at 11:00 | Comment(0) | Game
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