2014年05月01日

ストライダー飛竜・新作に見えた「飛竜」の姿

 新作として、何を残すべきか、何を加えるべきか、どう変えるべきか。プレイする側にとっても、何を見るべきか、どう感じるべきか。
 このゲームはそんな、制作側とプレイヤーの意思が見えた気がする。

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ストライダー飛竜(カプコン公式サイト)

 ストライダー飛竜とは、1989年にアーケードゲームで発売された、世界の支配者グランドマスターを抹殺するために送り込まれた暗殺のプロフェッショナル、ストライダー飛竜が主人公という、SFの世界を舞台にしたアクションゲーム。1999年には続編の2が出て、家庭用でも初代PSなどに移植されている。
 それが、2から15年、初代から25年も経ってから新作が発売される。

 ストーリーは初代と同じで、位置づけとしては初代を別視点で描いたリメイクにあたるが、基本的に横スクロールタイプのアクションゲームだった前2作と全く別のゲームになっている。
 発売機種はPS3(パッケージ/ダウンロード版)、PS4(ダウンロード版)、Xbox360(ダウンロード版)が発売・配信中で、後にXbox One、PC版も予定がある。
 その中で、私が購入したのはXbox360のダウンロード版。ここでは、それをプレイしたものについて書いていく。

ストライダー飛竜とは

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 ゲームとしては、基本はスクロールタイプのアクションで、各ステージを敵を倒しながら進んでいく。そのステージは前後に進むだけにとどまらず、壁を上る、地下に潜るなど広大なマップの中で繰り広げられる。

 敵と戦う飛竜の攻撃は、「サイファー」と呼ばれる刀を使って斬る事。
 ショットなどとは違って射程距離が短いため、敵に極端に近づかないといけないが、ボタン連射による連続攻撃も可能。スライディングで敵に突っ込んで敵を一瞬で粉砕したり、攻撃による爽快感も大きい。

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 また、敵キャラクター、飛竜と共に戦うオプション、場面ごとのシチュエーション、音楽にいたるまで、様々な面で初代の要素がここでも登場するため、プレイした事のある人なら「ここでこれが出てくるか!」という楽しみもある。

 ここまではアーケード、今回の新作共に共通する内容で、今回の新作もポリゴンを使った3Dの映像を見せながら、ゲーム自体はアーケードと同じ2Dタイプのアクションゲームとなっている。
 しかし、大きく違う所は、アクションゲームの中でも「探索型アクション」になっている事。

探索型アクションゲームについて

 今回のストライダー飛竜について書く前に、この探索型アクションについて説明する必要がある。

 俗に「探索型アクション」と呼ばれるタイプのゲームは、広いマップの中を敵を倒し、至る所にあるアイテムを探し、装備してパワーアップしていきながら進んでいく、アクションと共に「探索」を主体としたゲーム。
 過去には、1986年にファミコンディスクシステムで第1作が発売された「メトロイド」、1997年に初代PSで発売の「悪魔城ドラキュラX 月下の夜想曲」、また海外作品では「Shadow Complex」もある。

 このタイプのゲームは、システムや進め方などがある程度似ている。

  • ゲーム開始時のプレイヤーは最小限の装備しか持っておらず、マップ上で入れない場所が多い。
  • マップの特定の場所に隠されている、もしくは特定の敵を倒すとアイテムが手に入る。
  • アイテム装備でジャンプ距離が伸びる、走れる、小さい通路に入れるなどができるようになり、行けなかった場所や通路などに入れるようになる。
  • 新しい通路や場所に入る事によって、また次に行ける場所、行くべき場所が広がる。

 このように進めていきながら、最終の敵を倒すなどゲームの目的を果たしていく。どこに行って何を装備すれば次の場所に進めるかを「探索」する、アドベンチャーゲームのようで、RPGのような成長する要素も含んでいる。
 また、メトロイドの影響が大きいためだろうか、横から見たタイプのジャンプアクションゲームがよく見られる。

飛竜における「探索」の形

 ストライダー飛竜は、その探索型アクションゲームと言えるが、これとは若干スタイルが違う。

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 ゲーム中は常に「この地点を目指せ」など、マップ画面の表示と共に目的地が常に指示され、そこを目指せば、ほぼ迷う事無く到達できる。というより、そこ以外は進めない場合がほとんど。
 その目的地の途中では、いたる所に通路など別の道が見え、入るとパワーアップアイテムや、後で映像特典として見れるターゲットなどが置かれている。

 つまり、ストーリーを追うクリア目的のみなら、目の前に見える道を進んでいくほぼ一直線という、アーケードに近い形。でもアイテムを取ったりパワーアップなどの探索は自由にできる。
 これがストライダー飛竜で独自の形と言える。

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 ただし、全く探索せずに進むにはエネルギーなど、ほとんどパワーアップ無しで困難なため、ある程度は必要である事と、ストーリー上ほぼ完全の装備になった時点で探索のみが可能になるという、この面白さもちゃんと残している事も付け加えておく。

操作系について

 このゲームの操作は、パッドの左アナログスティックで移動、ボタンで攻撃とジャンプ。スティックのボタンの組み合わせで、スライディング、壁を使った連続ジャンプなど、多彩なアクションが可能になるという、アーケードを基本にしたもの。

 だが、今回は更に、これだけの操作がある。

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Y:真下に一気に斬りつける「ダウンストライク」など特殊攻撃
RB:空中ダッシュで移動や攻撃をする「プラズマカタパルト」
RT:クナイ(手裏剣)
LB:オプション攻撃
LT:壁から手を離す
右アナログスティック:クナイを撃つ方向指示
デジタル方向キー:上下左右で武器の切替

 カタパルトとクナイは、使わないと到達できない場所があるので移動手段としては必須。攻撃としてはそれらとダウンストライク、オプションは有利になるための手段に過ぎない。
 探索によって装備していくごとに複雑化していくが、基本の攻撃とアクションは、スティックと2ボタンのみで可能というスタイルを残している。

 ただし、パッドのデジタル方向キーで切り替えられる武器は、敵や場面によって使い分けないといけない。

 中盤くらいまでは、一度武器を選んでから敵に突っ込んで攻撃という形でほとんど可能だが、終盤くらいは特定の武器でないと倒せない敵が何種類も一度に出てきて、切り替えながら攻撃が必要になる。
 しかもXbox360の標準コントローラーの場合、デジタル方向キーの上下左右は斜めに入れ間違えやすいため、入力間違いが多く闘いが困難になりやすい。

 個人的な感想としては、上下左右で4種類の切替より、左右だけで武器を順番に切り替える方法をとるなど、標準パッドの欠点を補う形にするべきではなかったのかとは思っている。

飛竜というキャラクター

 今回のストライダー飛竜のストーリーは初代と同じと書いたが、そのストーリー上で描かれている飛竜は、

「受けた任務は必ず完遂させる、諜報と暗殺のプロフェッショナル集団『ストライダーズ』の中で、特A級ストライダーと呼ばれる『飛竜』が任務を遂行する」
(公式サイトより)

 意思や感情を見せずに、抹殺という任務を冷酷かつ確実に遂行する男。そんな設定がされている。
 だが、ゲーム中の飛竜はどうか。

 軽快なアクションを見せながら、実はすぐにダメージ受ける。ボスよりもザコの方が致命的になる事が多い。場面によっては落下したら一発で死ぬ。軽快に走ってるのに天井を渡る時はスピードが遅くて地味。
 そんな困難な操作や駄目な所を見せるが、やはり飛竜は格好いい。

 この辺、誉めている気がしないがw、アーケードと今回の飛竜どちらも、ゲームでのイメージが似ている。
 そう感じるのは、操作や敵の攻撃など、難易度の面で困難な点が多いため。

 そのため、慣れなうちはそれこそ格好悪い姿しか見れないが、使いこなせば軽快なアクションを見せて一瞬で敵を倒す、ヒーローの姿を実感する。
 それが、実際にゲームをプレイして初めて味わう「ストライダー飛竜」というキャラクターの魅力で、今回はそれが引き継がれているように感じる。

飛竜で目指したスタイル

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 今までの中で挙げた、ストーリーは初代と同じリメイクという位置づけ、基本のゲームシステムは同じ、探索でありながらストーリーを追うだけならほぼ1本道、2ボタンの基本を残しつつ複雑化した操作、ゲームの中の飛竜というキャラクター。
 どれも、アーケードとして出た初代の要素が残っていながら、新作の要素が加わっている。

 ここで見えるのは、ストライダー飛竜の新作として制作側が目指したのは、この「アーケードのスタイル」と「別の要素」の両立ではないかという事。
 ストライダー飛竜としては、理想的な形の一つではないだろうか。

 だが逆の見方、アーケードのストライダー飛竜として見て、様々な面で全く違う要素が入ってやたら複雑になっている。探索型アクションとして見て、行動範囲を広げていく探索とは感覚が違う、むしろ探索ではないなど、どの面も違う、中途半端という見方もできる。

 今回のストライダー飛竜は、いい形で見る事と悪い形で見る事、どちらもある意味正しいと思う。
 ストライダー飛竜はアクション、ストーリー、飛竜というキャラクター、どの面においても当時は独創的でインパクトが強く、思い入れの強いファンが多い作品だったから、それぞれの思う「飛竜」の形が、この新作でどう感じ取れるか、プレイヤー次第で変わっていくと思う。

 また、発売当初に掲載された、開発者インタビュー、

PS4「ストライダー飛竜」ミニインプレッション&開発者インタビュー
(GAME Watch)

 この中に開発者の、ストライダー飛竜というゲームに対するファンの一人としての意思が見える。
 と共に、今回の新作は、アーケードで出た初代をどう受けとったか、またどう受け取るべきか。ファンが出した一つの答えだと思う。




posted by 司隆 at 21:01 | Comment(0) | Game
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