2013年10月24日

スクウェアPCゲームに触れる・2:WILL -THE DEATH TRAP II-

 この記事も含めて、まとめはこちらLink


 80年代のパソコンアドベンチャーゲームは、1982年にミステリーハウス(マイクロキャビン製)、1983年にデゼニランド、惑星メフィウス、暗黒星雲、1984年にサラダの国のトマト姫、ザ・デストラップなど、名作と言えるものが次々と発売された、まさに全盛期。
 その中で1985年に発売されたこのゲームは、スタイルが決まりつつあったアドベンチャーゲームの中で、新しい形を目指していたのかも知れない。

20131010-05.png
 先日から書いている、スクウェアの初期パソコンゲームを収録したソフト、
CLASSIC PC-GAME COLLECTION
 その中から第2作、「WILL -THE DEATH TRAP II-」について。

 ストーリーとしては、ザ・デストラップの主人公、ベンソンに再び国家から仕事の依頼が来る。
 依頼内容は、ある研究者が人類抹殺を企んでいるものを阻止する事。研究者の目的は「娘の死を人類に償わせるため」という、狂気と言えるものものだった・・・。

20131024-01.png20131024-02.png
 前作「ザ・デストラップ」でデビューしたメーカー、スクウェアのパソコンゲーム第2弾。タイトルに「THE DEATH TRAP II」と書かれていて、続編という位置づけだが、主人公が同じと言うだけで関連は全く無い。
 時代背景は80年代の設定だが、南太平洋の孤島に、現代でもあり得ないような科学やロボットなどが存在するSFの世界。

新しいもの・変わりつつあるもの

20131024-04.png20131024-03.png
 このゲームの特徴はSFである事と共に、随所にアニメーションの画面を見せてくれる事。タイトル画面にも出てくる、少女の瞬き、スタート画面では海が波を打つ、行く手を遮るメカの電光など。
 SFの映像とアニメーションという、派手な映像でインパクトがとにかく強かった。

 アドベンチャーゲームとしてのコマンド入力は日本語のみで、英語は完全排除。そのコマンドも、動詞と名詞を「アケル ドア」も日本語文法的に「ドア アケル」の両方OKや、テンキーの8・2・4・6で前後左右の移動が可能。
 当時でもWillに限らず、このような操作を取り入れるゲームは増えつつあった。

 初期のアドベンチャーゲームで常識だった英語のコマンド入力は、和英辞典を片手にコマンドを考える言葉探しや、キーボード入力自体が面白いというパソコンゲームとしての楽しさがあったが、反面、それに慣れないと楽しめない敷居の高さがあった。
 それを改善して間口を広げようとする、アドベンチャーゲームとして次の方向性を目指した時期とも言える。

20131024-05.png20131024-07.png
 もう一つの大きな特徴は、いくつかの場所であるコマンドを入力する事により、隠れキャラが存在する事。
 当時はファミコンゲームが流行りだした時期で、制作側が意図的に入れた隠れキャラや裏技もよく見られた。それをパソコンゲーム、しかもアドベンチャーゲームで入れるのは、面白い遊び心だった。
 余談だが、右の画像の隠れキャラ。今は著作権的にクレームが来ないだろうかと少し心配になった。

20131024-08.png
 また、ゲームの中盤からヒロインである少女、アイシャと出会い、会話をすることができる。ここでやめべき事をやらないと進めないなど重要な場面でもあるが、進行とは関係無い様々なリアクションを楽しむこともできる。

20131024-09.png20131024-10.png
 こんな表情にときめいた中学生時代を思い出すが、それはともかく、こんなコマンドも、裏技の一つとも言えるだろうか。
 WillはそんなSFの世界、演出、操作性、裏技という、様々な新しい要素、遊び、改善を試みた作品だったのではないか。

一瞬を楽しむゲーム

 この時期のアドベンチャーゲームは、画面数とボリュームを売りの一つとする作品も多く、前作のザ・デストラップもそれが大きな魅力だったが、本作は全く逆だった。

20131024-11.png
 シナリオや画面数は極端に少なく移動できる場所も限られる中で、どういうルートで、コマンドをどう組み合わせて突破するか考える、パズルのような解き方をしないといけなかった。
 当時、謎解きを楽しみにしていた私にとって、このスタイルはかなり難があったために自力クリアできず、知人の情報等で何とかエンディングに到達した思い出。
 だが、その短いものをいかに謎解きに組み込んでいたか、それがWillの特徴とも言える。

 また、大きな売りの一つだったアニメーションも派手ながら、波やライトなど細かいものがほとんど。見せ場と言えるのは目覚めのシーン一瞬がほぼ全て。
 でも、タイトルでそのアニメーションを見て、ゲーム中の盛り上がる場面で全く同じものを再び見るが、それでも感動があった。

 Willはそういう、短いものや一瞬の見せ方を楽しませるゲームだったと改めて思う。

当時の思い再び

 最後に、私の個人的なプレイ環境と思い出の話。

 私が当時プレイした機種はPC-8801mkII。別売りのFM音源ボードを実装しても音は鳴らなかった。だから音楽も全く知らないし、mkIIユーザーのSRに対するコンプレックスをここでも強く感じていた。
 それが今回、このソフトのおかげで音の聴けるPC-88mkIISR以降版に触れる事ができたが、ゲーム中は場面によって機械音などが鳴り、コマンドなどを考えているときにこの音は正直うるさくて、ボリュームをほぼゼロにしていたという。

 結局、あの時の思い出とはこんなものですか。などと、妙な事も色々と思い出してしまった。




posted by 司隆 at 19:26 | Comment(0) | Game
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。