
先日から書いている、MZ-700ゲームについて。今回は、アーケード移植とSTGで特に思い出に残っているものを。
マッピー(電波新聞社)

80年代にナムコから発売された、アーケードゲームの名作の一つと言われる、マッピー。
このMZ-700版は、当時ナムコのライセンスを受けて電波新聞社が製作・販売したもの。


MZ-700はグラフィック機能を持っておらず、全て文字やグラフィックキャラクターを使って描画するしかないが、この画面はその中で、PCGを使用したバージョン。
PCGとは、HAL研究所から発売されていた別売りのユニットで、グラフィック機能の無いこの機種で、文字やキャラクターを任意の絵に変えられるもの。これを使えば、オリジナルに近い絵が実現できる。
では、PCGを使わないノーマルバージョンはどうか。これは伝説にもなっているが、


マッピーや敵キャラはもとより、屋敷に置かれたオブジェが「カセット」「ハソコン」「キンコ.」など文字で表示される。全て2×2のキャラで描くしか無かったための、苦肉の策。
でも私は当時、MZ-700にはPCGを搭載していたので、もっぱらPCG版を遊んでいた。伝説のノーマル版もそこそこできるが。

アーケードのマッピーに比べて、大筋のルールでMZ-700版に足りない要素は、
- 屋敷の段が1段少なくて5段
- 屋根裏に入れない(だからアーケードより実質2段少ない)
- ボーナスステージが無い
- 落とし穴が無い
それでも、ゲーム開始時のデモ画面(静止画と音楽で)、ベル、ご先祖様(クルクル回らない)は存在する。
また操作に関しても、トランポリン乗り降りの時にジャンプの動作が無いため、ここで敵にぶつかる可能性が極めて高いなど難しい点が多く、「移植」の観点では酷いと言えるかも知れない。

だが、敵のパターン、ターゲットの配置など基本はアーケードに近く、操作も、そのトランポリンのタイミングをいかに自分のものにするか、それがクリアへのカギとなる。
このMZ-700版は、そういう独自の攻略を持ちながら、アーケードの要素が十分に備わった、まさにマッピーそのものがあった。それが当時のパソコンで、自宅で遊べる。
これらは私にとって、満足するには十分すぎる要素だった。
一応私、MZ-700版は1周クリアした。ちなみに2周目は敵の速度がスピードアップするが、さすがにそこからは続かなかった。
そして発売から約1年後だったか、ファミコンでマッピーが発売。私は本体と共にこれを購入してやり込んだが、その映像や動きはアーケードに近いものだった。
正直、先にファミコン版をやっていたら、このMZ-700版を楽しめたか分からない。でも今となっては、こちらを先に触れて良さを味わえた事を嬉しく思う。
ギャラクシアン(電波新聞社)

これもマッピーと同じく、80年代にナムコから発売されたアーケードゲームの名作で、MZ-700版は同じく電波新聞社。

やはりMZ-700のキャラクターのみでゲームを再現するのは無理があったというか、まずキャラがデカい。デカいものを画面に納めるため、エイリアンの青(アーケードのグリーン)が10×3段の30匹から8×2段の16匹に。でも他は数を合わせている。
だから自機とエイリアンの間など空間が狭く、敵の動きもほぼ斜め45度に落ちてくるし宙返りも無い、しかも青もパープルもレッドもボスもみんなそれ。アーケードにあった狙い撃ちの要素は薄く、当時はとにかく撃ちまくって倒していた。
だいたい、ゲームスタートしたら音楽も無く始まって最初に落ちてくるのがいきなりパープルって、その時点で違うだろと。
こちらは、さすがにマッピーのような満足まで行かないというか、こだわりの感じられないものだったが、当時のパソコン用シューティングゲームとしてはそこそこ楽しめるもので、結構やり込んだ思い出がある。
スペースビー(Carry Lab.)


宇宙から来た蜂を撃って倒すというシューティングゲーム。
画面上で動いているのが巣で、そこから次々と蜂が落ちてくるが、蜂は1匹倒すと50点、巣を破壊すると1000点。
圧倒的に巣を狙った方がいいが、倒す度に出てくる蜂の数が増える。

自機の操作は左右とショットのみ、単発だが押しっぱなしで撃ち続けられる。
降りてきた蜂にぶつかるとミス、残機0でゲームオーバーという、ルール自体はとてもシンプルだが、自機と敵の巣の移動速度が極端に速く、位置を合わせて当てるのがなかなか難しい。


更に、ゲームオーバーの後でネーム入れもある。アーケードゲームを意識しているらしい。

このゲームの面白い所は、その「単発ショットで狙い撃ち」「自機と敵の巣の動きが高速」「倒すほど難易度が上がる」所が、妙に上手く絡んでいる所。
狙い撃ちのゲームなのに速度が速すぎて合わせにくい。高速移動でスピード感があるけど敵の動きを見ないとすぐやられる。すぐやられてゲーム時間は短いけど爽快感がある。
お互い相反する要素が有りながら、その両方を楽しめる。
もちろんこれって偶然の産物だろうし、当時の私はそんなもの考えずに楽しんでいたが、今改めてやってみると、今では以外と見られないものだった。
そんな、シンプル故の面白さが備わっていると思う。