2012年10月17日

横井軍平氏の本を読んで

 先日読んだ、横井軍平氏について書かれた本。

決定版・ゲームの神様 横井軍平のことば ものづくりのイノベーション「枯れた技術の水平思考」とは何か? (P-Vine Books)

ゲームの神様 横井軍平のことば ものづくりのイノベーション
「枯れた技術の水平思考」とは何か?

(スペースシャワーネットワーク 刊)

 横井軍平とは、任天堂がトランプや花札くらいしか作っていない時代に入社、長年にわたって「ウルトラハンド」などのオモチャや「ゲーム&ウオッチ」といったゲーム機などの開発に関わった人物。
 1996年に退社してからゲームなどを企画する会社を設立したが、交通事故により亡くなる。その後に任天堂ではDSやWiiの大ヒットがあるが、それは横井氏の考え方が社内に残っていた事が大きいとも言われ、改めて注目されている。

 氏について簡潔に書いたけど、この書籍には、過去に掲載された横井氏の雑誌やインタビュー記事をまとめたものと、間に何人かのコラムが入っている。

『横井軍平のことば』を読んで

 ここで見えるのは、横井氏の言葉として有名でタイトルにもなっている「枯れた技術の水平思考」。
 最新技術はオモチャやゲーム機に使うには高価、むしろ古くて枯れた技術を工夫する事で新しいものを作る考え方。例えば氏が開発した中で代表的な「ゲーム&ウオッチ」は、当時としても最新ではない、電卓に過ぎなかった技術を利用するなど。
 書籍では、横井氏が直接語った記事が多いので、それらを作ってきた考えを読み取る事ができる。

 私が印象に残ったのは、「現代のゲームから失われたものは?」という対談記事。ここで横井氏は、
「ゲームは競い合いや勝ち負けと思ってる」
「ユーザーが自分のイメージを足さなきゃいけない部分は奪っちゃいけない」
と語っていて、この考えが、ゲームボーイやバーチャルボーイをカラーにしなかったのは、コスト面の理由だけではなかった意図などが見える。

 この辺はあくまで横井氏自身の考えなので、正しい間違ってるの話ではないが、共感できる事は多かった。

 ただ、この本で気になるのは、今までに雑誌に掲載された記事を収録しただけに、同じ内容が重なっている部分もある。また全部で207ページあるが字数がかなり少なく、2〜3時間もあれば読み終わってしまい、少し物足りないかも知れない。

『横井軍平伝』について

 そのため、横井軍平氏についての書籍として、こちらも書いておきたい。

ゲームの父・横井軍平伝  任天堂のDNAを創造した男

ゲームの父・横井軍平伝
(牧野武文 著/角川書店 刊)

 こちらは、横井氏のエピソードを中心に書かれた本で、出版は2010年。私もその時期に読んでいた。

 横井氏が任天堂に入社後、仕事中に遊びで作っていたオモチャが社長の目に止まり、「これを商品化しろ」の一言で発売された「ウルトラハンド」というオモチャ。これが大ヒットした事がきっかけで開発に携わるが、それも含めたエピソードが一つ一つの商品と共に紹介されている。

 横井軍平氏については、先に「ゲームの父・横井軍平伝」で、何を作ってきた人物だったか知ってから、「横井軍平のことば」で氏の考えを知る方が、より楽しめると思う。


posted by 司隆 at 18:46 | Comment(0) | Book / Comic
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