2011年03月21日

今敏「海帰線」

 最近再版されたが、私としては思い出に残るマンガの一つとして今回書いてみたいと思う。

新装版 海帰線 (KCデラックス) [コミック] / 今 敏 (著); 講談社 (刊)

海帰線
(今敏 著/講談社)

 昨年ガンで亡くなったアニメーター、今敏氏。最初マンガ家としてデビューした氏の初連載作品。

 海辺にある小さな田舎町を舞台に、そこに代々伝わる「人魚」の伝説を巡る、ファンタジーを背景にしたドラマ。
 これが週刊ヤングマガジンに連載されていたのが1990年。記憶では3×3EYESの第2部や代紋TAKE2が連載開始した時期で、その中での短期連載だった。

 私がこの作品を連載中に読んで感じていたのが、静かで響くものがある。といった所だろうか。

 田舎町で起こる一つの事件の前兆と一つの非現実的な謎が見えるが、物語のクライマックスも終盤も全く派手さが無く、本当に静かに話が進む。登場人物はそれぞれの物語を見せながら、それらが集まって一つの物語ができる。
 そんな静かなドラマを見せてくれる所が好きで、連載中はヤングマガジンをこれ目的で買っていた。

 静かで響くというのは、先日の日記で書いた水域や蟲師などにも共通しているのかも知れない。どうも私はこういう静かな作品が好きらしい。


 後は思い出話となるが、

 単行本の発売日、私は朝から本屋へ買いに走ったがどこにも置いてなくて、数軒回ってようやく見つけたという。今思えば、新人マンガ家のデビュー作で地味な内容だったらこんなものだろうか。

 このマンガで今敏氏というマンガ家のファンになって次回作を楽しみにしていたが、後に連載されて単行本が出た「ワールドアパートメントホラー」以降はお目にかかる事がなく、ある時にアニメ作品のクレジットで名前を見つけて観るようになった。
 というのが、私の今敏ファン歴。


 現在、今敏氏の追悼として、未完に終わるなどで単行本が出ていなかった作品も全て出版された。ファンとしては嬉しいものの、少し複雑な気持ちになりつつ購入した。
 この辺の感想も機会があれば書いてみたいと思う。


posted by 司隆 at 21:51 | Comment(0) | TrackBack(0) | Book / Comic
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